主な研究内容

1.繊維補強コンクリートを用いた長寿命コンクリート舗装に関する研究

  ポリプロピレン繊維およびフライアッシュを用いたコンクリート舗装材料の開発による長寿命コンクリート舗装の
 実現に向けた研究を行っている.

 本研究成果の一部は,新都市社会技術融合創造研究会プロジェクトによるものであります.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.T. Sasaki, H. Higashiyama, M. Mizukoshi: Flexural Behavior and Benefits of Polypropylene Fiber-
    Reinforced concrete for Concrete Pavement, ACI Materials Journal, Vol.120, No.1, pp.219-229,
    2023.1.1
  2.佐々木庸志,東山浩士,水越睦視,藤森章記:ポリプロピレン繊維およびフライアッシュを用いた舗装用
    コンクリートの基礎的研究,材料,Vol.72,No.2,pp.131-138,2023.2.


2.道路橋床版下面に接着された鋼板の再接着に関する研究

   内圧充填接合補強工法によるRC床版下面に接着された鋼板,床版内部に発生している水平ひび割れの
 再補修に関する研究を行っている.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.黒柳拓海,東山浩士,森本祥平,廣 重幸,吉田彰男:実橋床版から切出した鋼板接着補強RC梁の
    樹脂再注入による補修効果と終局耐力,構造工学論文集,Vo.68A,pp.765-775,2022.3.
  2.黒柳拓海,東山浩士,森本祥平,廣 重幸,吉田彰男:IPH工法による鋼板接着補強RC梁の補修効果と
    水平ひび割れへの樹脂充填確認,土木学会第77回年次学術講演会概要集,CS19-02,2022.9.

 上記研究成果に対して,本研究室の黒柳拓海 君が令和4年度土木学会全国大会優秀講演者賞を受賞しました.


3.紫外線硬化型樹脂シートを接着したコンクリート構造物の補修・補強に関する研究

   ポリエステル樹脂内にチョップドガラス繊維を分散させ,ラミネートしたシートをコンクリート構造物に接着し,
 紫外線照査により硬化させた後の補修・補強効果に関する評価を行っている.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.N. Mitsukawa, T. Nagao, O. Takahashi, H. Higashiyama, T. Ishikawa: Tensile properties of steel plate
    bonded with UV-curable glass fiber reinforced polyester resin sheet, Proceedings of The Sixth
    International Conference on Construction Masterials, Fukuoka, pp.525-532, 2020.8.
  2.H. Higashiyama, T. Ishikawa, N. Mitsukawa, T. Nagao, O. Takahashi: Tensile behavior and strength of
    steel plate with UV-curable glass fiber reinforced polyester resin sheet on both sides, International
    Journal of GEOMATE, Vol.20, Issue 79, pp.1-8, 2021.3.
  3.N. Mitsukawa, T. Nagao, O. Takahashi, H. Higashiyama, and T, Ishikawa: Flexural performance of
    concrete beams strengthened with UV-curable glass fiber polyester resin sheets, Proc. of The 9th
    International Conference of Asian Concrete Federeation, Thailamd, PP.ST-71-ST-81, 2021.11.


4.あと施工アンカーの引抜き耐力とトルク耐力に関する研究

   新たに開発されたアンカー頭頂部にピンデールを設けたスクリュー式あと施工アンカーの引抜き耐力とトルク耐力
 の評価に関する研究を行っています.本アンカーはエポキシ樹脂系接着剤との併用により,コンクリートとの付着を
 確実なものとし,従来の接着系アンカーよりも引抜き耐力が向上します.さらに,頭頂部に設けたピンテールを活用し
 たトルク試験により,アンカー施工後の引抜き耐力の健全性を点検評価できるように検討を重ねています.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.平井俊樹,東山浩士,仲辻浩一,五十嵐心一,永目 有,出口祐太:トルク管理型接着系あと施工アンカーの
    引き挙動,材料,Vol.67,No.1, pp.121-128,2018.
  2.平井俊樹,東山浩士,仲辻浩一,五十嵐心一,永目 有,出口祐太:トルク管理型あと施工アンカーの引き耐
    力とトルク耐力,材料,Vol.67,No.10,pp.904-910,2018.
  3.東山浩士出口祐太,仲辻浩一,五十嵐心一,川上 修,永目 有:あと施工アンカーの引き耐力に関する提案
    式とトルク耐力との相関,材料,Vol.68,No.7,pp.584-589,2019.


5.FWDを用いた床版の健全度評価に関する研究

  FWDを用いて床版上面に重錘を落下させたときの床版たわみから,床版の健全度を評価する指標の検討,アスファ
 ルト舗装の変形を補正する手法について研究を行っています.本研究で提案しようとする健全度評価指標は,床版の
 橋軸方向および橋軸直角方向のたわみ面積と載荷点たわみの関係に線形性があることを利用するものであります.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.東山浩士,塚本真也,阿部長門,関口幹夫:FWDによる道路橋床版の健全度評価指標の一提案,第17回コンク
    リート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,Vol.17, pp.273-278,2017.
  2.東山浩士,塚本真也,阿部長門,関口幹夫:FWDによる道路橋RC床版の健全度評価指標の検討,第32回日本
    道路会議,5001,2017.
  3.増戸洋幸,永見晃之,塚本真也,東山浩士:コンクリート床版のたわみ計測におけるアスファルト舗装の影響に
    ついて,第32回日本道路会議,5002,2017.
  4.H. Higashiyama, H. Mashito, M. Tsukamoto, N. Abe, M. Sekiguchi, T. Nagami: Study on Soudness
    Evaluation of Beridge Slabs by Falling Weight Deflectometer, International Journal of GEOMATE,
    Vol.15, Issue 51, pp.106-112, 2018.
  5.東山浩士,増戸洋幸,塚本真也,阿部長門,関口幹夫:FWDを用いたRC床版の健全度評価における舗装たわみ
    の温度補正に関する解析的検討,第10回道路橋床版シンポジウム論文報告集,pp.249-254,2018.
  6.増戸洋幸,梅田 隼,塚本真也,東山浩士:FWDによる道路橋床版の健全度評価手法に関する検討,第19回コ
    ンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,Vol.19,pp.623-628,2019.10.
  7.東山浩士,塚本真也,増戸洋幸:FWDを用いた床版の健全度判定方法に関する一提案,第11回道路橋床版
    シンポジウム論文報告集,pp.35-40,2020.10.
  8.H. Higashiyama, M. Tsukamoto, H. Mashito: Temperature prediction of asphalt concrete and correction
    method of deflection on bridge slabs for FWD testing, Journal of JSCE, E1: Pavement Engineering,
    Vol. 9, Issue 1, pp.148-160, 2021.3.

 本研究成果の一部は,JSPS科研費基盤研究(C) 19K04561の助成によるものであります.
 上記研究成果に対して,関西道路研究会 令和2年度優秀研究者賞を受賞しました.


6.改良型フェルールを用いたスタッドの疲労強度向上に関する研究

  鋼・コンクリート合成床版に適用する頭付きスタッドの疲労強度向上を目的に,従来より使われてきたスタッド溶接
 用フェルールの形状改良に取り組んできました.改良型フェルールでは,フェルール下縁の切欠き溝を閉じ,溶接時
 の高温ガスをフェルール上側へ噴出させます.その結果,溶接余盛止端部が滑らかになり,溶接余盛寸法も従来型
 より拡大させることができました.
  鋼・コンクリート合成床版に溶接されたスタッドには,自動車荷重の走行により回転せん断力が作用します.この回
 転せん断力を実験的に模擬できる試験装置により,スタッドの回転せん断疲労試験を実施しています.その結果,従
 来型スタッドに比べて,改良型スタッドの疲労寿命は2〜3倍程度向上することが明らかになってきました.

  本研究成果の一部は,一般社団法人近畿建設協会の平成24年度研究助成によるものであります.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.吉田賢二,稲本晃士,松井繁之,東山浩士,街道 浩:鋼・コンクリート合成床版に適用する高耐久性スタッド
    の開発,構造工学論文集,Vol.58A,pp.908-916,2012.
  2.吉田賢二,東山浩士,稲本晃士,松井繁之,街道 浩:回転せん断力を受ける高耐久頭付きスタッドのS−N
    曲線,材料,Vol.62,No.10,pp.621-626,2013.
  3.H. Higashiyama, K. Yoshida, K. Inamoto, S. Matsui, H. Kaido: Fatigue strength of headed studs welded
    with improved ferrules under rotating shear force, Journal of Constructional Steel Research, Vol.92,
    pp.211-218, 2014.
  4.吉田賢二,東山浩士,馬場 敏,松井繁之:鋼・コンクリート合成床版内のスタッドの疲労耐久性評価と疲労
    強度向上に関する研究,土木学会論文集A1,Vol.74,No.3,pp.306-318,2018.

 上記研究成果に対して,一般財団法人災害科学研究所 平成26年度優秀発表賞を受賞しました.


7.廃棄碍子の有効利用に関する研究

  電力関連から廃棄される絶縁体の碍子を破砕・研磨し,建設用骨材へとリサイクルする方法が確立されています.
 この碍子細骨材を用いたモルタルの強度特性や塩分浸透抵抗性に関する研究を行っています.
  また,リサイクルの過程で発生する碍子微粉末の用途拡大に向けた研究にも着手しているところです.

  本研究成果の一部は,公益財団法人関西エネルギー・リサイクル科学研究振興財団の平成23年度研究助成,JSPS
 科研費基盤研究(C) 25420468の助成によるものであります.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.東山浩士,松岡 慶,蜑コ文夫,佐野正典,酒井研二,高橋 修:廃棄碍子骨材を用いたモルタルの圧縮強度と
    塩分浸透抵抗性,骨材資源,No.167,pp.115-122,2010.
  2.H. Higashiyama, F. Yagishita, M. Sano, O. Takahashi: Compressive strength and resustance to chloride
    penetration of mortars using ceramic waste as fine aggregate, Construction and Building Materials,
    Vol.26, No.1, pp.96-101. 2012.
  3.H. Higashiyama, M. Sappakittipakorn, M. Sano, F. Yagishita: Chloride ion penetration into mortar
    containing ceramic waste aggregate, Construction and Building Materials, Vol.33, pp.48-54. 2012.
  4.H. Higashiyama, K. Yamauchi, M. Sappakittipakorn, M. Sano, O. Takahashi: A visual investigation on
    chloride ingress into ceramic waste aggregate mortars having different water to cement ratios,
    Construction and Building Materials, Vol.40, pp.1021-1028. 2013.
  5.嶋津治希,東山浩士,岩崎光伸,加来 孟,馬場一輝,福 秀平:碍子,高炉スラグを含むセメントペーストの
    圧縮強度及び耐酸性,廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.24,No.6,pp.133-141,2013.
  6.H. Higashiyama, M. Sappakittipakorn, M. Sano, O. Takahashi, S. Tsukuma: Characteristics of chloride ingress
    into mortars containing ceramic waste aggregate, Journal of Material Cycles and Waste Management, Vol.17,
    No.3, pp.513-521, 2015.7.

  7.H. Higashiyama, M. Sappakittipakorn, M. Mizukoshi, O. Takahashi: Time dependency on chloride diffusion of ceramic
    waste aggregate mortars containing ground granulated blas-furnace slag, Journal of The Society of Materials
    Science, Japan, 日本材料学会,Vol.64, No.7, pp.591-598, 2015.7.

  本研究室4年生 浦郷智樹 君が国土交通省近畿地方整備局ふれあい土木展2014の研究室対抗関西土木リーグA部門
 で
奨励賞を受賞しました.研究テーマは,「廃棄碍子を活用した涼しい道づくりと塩害に強い碍子モルタルの作製」です.

  一般社団法人産業環境管理協会「平成27年度資源循環技術・システム表彰」の「経済産業省 産業技術環境局長賞」
 を受賞(平成27年10月16日)しました.受賞題名は「使用済み碍子の有効利用技術の開発」です.



8.碍子微粉末を活用したアスファルト舗装の路面温度上昇抑制に関する研究

  電力関連から廃棄される絶縁体の碍子を破砕・研磨し,建設用骨材へとリサイクルする方法が確立されています.
 このリサイクル工程で回収される碍子微粉末と産業副産物であるフライアッシュや天然材料であるゼオライトを混合し
 たセメントミルクを開発し,ポーラスアスファルト舗装に注入することで夏場の路面温度の上昇を抑制する効果を確認し
 ました.

 本研究成果の一部は,JSPS科研費基盤研究(C) 16K06451の助成によるものであります.

 【本研究に関する主な成果発表
  1.東山浩士,佐野正典,竹内裕人,稲岡尚毅,高橋 修:碍子微粉末および石炭灰を有効利用した吸水・半たわみ
    型アスファルト舗装の路面温度低減効果,舗装,No.49,No.9, pp.18-23,2014.
  2.東山浩士,佐野正典,稲岡尚毅,中西 太,高橋 修,津熊 茂:路面温度低減機能を有する吸水型アスファル
    ト舗装の開発と試験舗装による検証,舗装,No.51,No.1, pp.19-23,2015.
  3.H. Higashiyama, M. Sano, F. Nakanishi, O. Takahashi, S. Tsukuma: Field measurement of road surface
    temperature of several asphalt pavements with temperature rise reducing function, Case Studies in
    Construction Materials, Vol. 4, pp.73-80, 2916.6
  4.H. Higashiyama, M. Sano, F. Nakanishi, O. Takahashi, S. Tsukuma: Effect on surface temperature
    reductio of asphalt pavement with cement-based materials containing ceramic waste powder,
    International Journal of Civil, Environmental, Structural, Construction and Architectural Engineeing,
    Vol.10, No.8, pp.1014-1020, 2016.8.
  5.H. Higashiyama and M. Sano: Fatigue resistance of surface temperature reducing pavement under
    fixed-point load, International Journal of GEOMATE, Vol.13, Issue 35, pp.166-173, 2017.7.
  6.H. Higashiyama, H, Inoue, and M. Sappakittipakorn: Fatigue and aggregate fretting resistance of
    surface-temperature reducing pavement, International Journal of GEOMATE, Vol.15, Issue 52,
    pp.222-229, 2018.12.